バンコク郊外、サムットプラカーン県はバンコクの南約30キロに位置する街。
チャオプラヤー川の河口にあるこの街は、あの有名なクロコダイルファームがあるため 一定の観光客には知られているのではないでしょうか。
また 2019年にはサムットプラカーンへ続くBTSスカイトレインサウスラインが開通したので、今後はより多くの人々がこの地域に流れていくのではないかと思います。
そしてそれに伴って今後の発展が見込まれるエリアでもあり、ますます注目が集まりそうです。
今回はそんな場所に超広大な敷地を利用して建てられたムアンボラーンという世界最大の屋外博物館たるものを見に行ってきましたので紹介していきたいと思います。
Muang Boran(ムアンボラーン)
Muang Boran(ムアンボラーン)は別名 The Ancient City(ザ・アンシエントシティ)とも呼ばれる、バンコク郊外にある超巨大な敷地内にタイ全土の名所を再現したレプリカが展示されている世界一の規模を誇る屋外ミュージアム。
このテーマパーク建設の目的は、急速に変わりつつある時代の流れとともにタイ本来の文化や歴史・建築物などが取り残されてしまわないように、このような形で後世に残していこうという思いから始まったそうです。
パーク内にある建物は専門家の監修のもと本格的に再現されているものが多く、実際に莫大な資金がかかっているとのこと。
現在でもこのミュージアムは建設途中であり、今後も新しく建物が増えていく予定となっています。
見どころをピックアップ
(ムアンボラーン 園内のマップ)
こちらのミュージアムですが、1つの敷地内に 何と120もの建築物が展示されているため、正直どんな順番でどの展示物から見ればよいのか見当もつきません。
ですので、しっかりとルート決めせずに軽い気持ちで流しながら見るのが良いのではないかと思います。
所々、気になった所があれば立ち寄るくらいのスタンスがオススメです。
今回はあくまでも 私が良いなと思った場所をピックアップしてみただけですので、参考程度にしていただければと思います。
【72】Prasat Phra Wihan, Si Sa Ket
パーク内を適当に散策中、とても気になる場所があったので行ってみることにしたのがこちら。
小高い丘の上に何やら古代遺跡のようなものが…冒険心をくすぐられ吸い込まれるように潜入。
入り口からして凄くないですか?これ本当にレプリカですか??笑
誰一人として観光客がいないですが、行くしか選択肢はありませんよね。
まるでクエストが始まるかのような雰囲気です。
ラスボス感満載ですけど…
いや、確実にいますよね?ラスボス!
こっち素手で戦えってか?笑
なにかが見える。なにか…
あ?ラスボス?笑
以外とちっちゃかった…
こちらは相当作りこまれたレプリカという感じがします。
まるで本物の遺跡の中に迷い込んだかのような本格さがあります。
頂上から見るムアンボラーン全体の景色もとても開放感があり気持ちいいです。
調べてみるとこちらはタイとカンボジアの国境にあるカオプラビハーンというクメール遺跡を再現したものだそうです。
数年前まではこの遺跡の所有を巡って軍事衝突があり、近づくことが容易ではなかったそうです。
現在では大きく損壊はしているものの、観光目的で入場することは可能だそうです。
ここはパーク内でもかなり人気のスポットらしいので、行き損ねないように要チェックですね。
【14】Exhibition
入場ゲートから比較的近いこちらのレプリカ寺院も相当本格的な建物です。
もはやレプリカの域を超えているといっても過言ではないでしょう。
金色に輝く仏像が佇んでいます。
装飾も本物の寺院同様に作りこまれています。
とても目を引く壁画と仏像。
サイケデリックな空間に緑色の煌びやかな仏像が超印象的です。
寝大仏もいらっしゃいます。
これらのほとんどどれもが精巧に作られており、見物するには十分価値のあるものばかりです。
【27】Sanphet Prasat Palace, Ayutthaya
パークの中央部に位置するこの巨大な神殿は白い外壁と紺色の屋根、そしてその2色のグラデーションがとても美しい印象的な建物です。
開けた場所ありますのでそのインパクトはとても強く、また周辺はとても綺麗に整備されているため写真映りもバッチリなマストスポットです。
【106】Bodhisattva Avalokitesavara Performing a Miracle
菩薩を中心に3種の竜が取り巻いている噴水です。
本来であればこういった建造物すべてに意味があるわけなのですが、全部調べながら見て回るとものすごい時間がかかりそうなので[目で見て楽しんだら次へ]くらいの気持ちで見て回るのが良いでしょう。
なんせ数が多いので、どんどん捌いていかないと日が暮れてしまいます。笑
【45】The Floating Market
園内にはまさかの水上マーケットまであります。
残念ながら平日は閑散としていますが、土日には実際にマーケットが出ているようです。
しかし、平日でも数店ながらお土産屋がオープンしていますのでちらっと寄ってみるのも良いかもしれません。
【104】The Royal Water-Course Procession
川の上にたくさんの伝統的な柄のボートが浮かべられているエリアです。
カラフルで奇抜なデザインがタイらしいですね。
タイの伝統的な船は基本的に船体が長く、船尾が蛇の尾のようにせり上がってるのが特徴的です。
【102】Sumeru Mountain
巨大な生き物が浮き島に巻き付いている、なんとも面白い建造物です。
正面から見ると、両生類?のような生物が大きく口を開けて威嚇しているかのような表情をしており、かなりインパクト大です。
正面から見たい方は、是非ご自身で訪れてご覧になってみてください。
【101】Giant Swing
バンコク市内にもあるジャイアントスイングのレプリカを発見。
なんか凄い小さいです!
本物を見る前にレプリカを見るなんて…ちょっとショックです(笑)
その他の見どころ
綺麗に整備された園内
パーク内全体がとても綺麗に整備されていて、写真を撮るスポットが多数あるのが魅力です。
テーマパークというだけあって、来場者を意識した施設づくりがなされています。
自然を楽しめる
パーク内には池や川もあり、これらが本当に人工的に作られたものなのか忘れてしまうほどリアルな園内となっています。
まるで、どこか本当に存在する街を散策をしているかのような気分で見物できるのも良いところです。
自然が本当に多いので、観光しながら同時に気分をリフレッシュすることができます。
噴水なども所々にあるので水の流れを聞きながら、ゆったりとした時間を過ごせます。
動物もいる
驚いたことに、パーク内にはこのように放し飼いにされている動物もいます。
野生の鳥ももちろん存在していますが、このように柵の中で飼われているダチョウもいたりします。
一体ここが何のための場所なのかという疑問さえ浮かんできます。
飲食店やお土産売り場もある
(オールドマーケットタウンでは小規模ながらお土産などが売られている)
所々に小さなレストランやお土産売り場が点在しているため、時間をかけてゆっくりと楽しむことも可能です。
小旅行感覚で1つの街に観光に来た気分で楽しむことができるのです。
この他にもまだまだ見どころや魅力はあるのですが ここでは全てを紹介しきることができませんので、実際に訪れて新たな発見をしてみてくださいね。
行き方
タクシーを利用して行く方も多いようですが、ここでは安く行ける 公共交通機関を利用した行き方を紹介します
この行き方はムアンボラーンの公式パンフレットにも掲載されているオフィシャルな行き方でもあります
流れとしては 電車→バス→ソンテウ(乗りあいタクシー) となり、かかる時間はバンコク市内からだと約1時間45分程度です
初めにBTSスカイトレインでBearing(ベーリン)駅へ向かいます
3番出口から出たら階段を降りて大通りを少し進みます
(駅を出てすぐ近くにあるベーリン駅のバス停)
今回は 511番 バスに乗車しパークナム市場へ向かいます
バスに乗車したら係員の方に「パークナム」と伝え、13THB(約44円)支払います
(102番・507番・508番バスでも同様にパークナム市場へ向かえます)
バス乗車から約20分でパークナム市場前に着きます
が、今回は2019年に開通するBTS Pak Nam(パークナム)駅から行く方でも分かりやすいように、あえて1つ手前の停車場所 パークナム駅前で降りてみました
パークナム駅から市場へは徒歩8分程ですので比較的近いです
BTSが開通すれば、このバスに乗る手間が減りますので直接パークナム駅まで行ってしまいましょう
さて、パークナム市場周辺に着いたらChao Por Lak Muang Shrine(チャオポーラックムアン寺院)へ向かい、隣に横付けされている36番のソンテウに乗り込みます
出発時間は決まっておらず、人数が集まり次第出発するスタンスなので座席に座って出発を待ちましょう
出発したら約30分でムアンボラーンに到着します
※2019年8月追記…上述した36番ソンテウは現在BTS Kheha(ケーハ)駅の3番出口前から乗ることも可能です。パークナム市場まで歩いて行かなくていいのでこちらの方が簡単に乗ることができオススメです。ソンテウを停める際は手を水平に上げて車を止めてから乗り込みます。乗車時間はここからだと約20分です。
(Kheha駅のソンテウ乗り場)
(矢印が進行方向)
さて、いずれの行き方にしても肝心なソンテウを降りるタイミングなのですが 進行方向右手にマクドナルドのあるモール「MIAMI」が見えてからと覚えておいて下さい
モールを通り過ぎたと同時くらいにソンテウ天井にあるこのブザーを鳴らして運転手に知らせます
運賃はソンテウを降りた後、ドライバーに8THB(約27円)支払えばOKです
降車場所からエントランスまで少しだけ歩いて到着となります
(ムアンボラーンの入り口 この先にパークエントランスがある)
入場方法
チケットオフィスはエントランスから少し歩いた奥の方にあります。
まずはじめにチケットを購入しましょう。
こちらの受付でチケットを購入します。
料金は 大人 700 THB(約2384円)/子供 350 THB(約1192円) です。
なお16時以降に入場する場合は 大人 350 THB(約1192円)/子供 175THB(約596円) と格安で入場できます。
※2018年度の料金体系です。今後値上がりする可能性あり。
こちらのオーディオガイドはレンタル無料ですが、残念ながら日本語対応はしていません。
英語でも理解できるという方でしたら、各建築物を詳しく知るために役に立つでしょう。
パーク内の移動方法
パーク内の移動に関してですが、私は自転車での移動をオススメします。
チケットオフィス横で無料でレンタルすることができます。
道路は全体的に平らで、綺麗に舗装されていますので全く心配ありません。
好きな場所で自由に止まって時間に縛られることなく観光できますので、体力的に問題なければ自転車で回るのが楽しいですよ。
電動トラムなどがありますが別で料金を支払わないと利用できませんし、ちょっと融通が利きにくいので正直微妙な気がします。
ただ3月・4月などの猛烈に暑い時期に自転車で回るのはややキツイかもしれませんので、その場合は電動トラムやゴルフカートの利用を検討すると良いかもしれません。
でも、自転車で駆け抜けるのも意外と気持ちいいですよ。
帰り方
帰りのケーハ駅経由パークナム市場行き36番ソンテウの乗り場は降車場所の反対車線側
パークの入り口を出ると、このように大通りに面した道に出ます
門を出て右の方へ歩くと5分程先に歩道橋がありますので渡ってください
(歩道橋の上から見たソンテウ乗り場)
道路反対側にはサムットプラカーンテクニカルカレッジという学校があり、その前から36番のソンテウに乗ることができます
15分おきくらいには来ますので少し待ちましょう
ソンテウが来たら手を水平に上げて車を止めてから乗ってください
行きと同じでケーハ駅へは約20分、パークナム市場へは約30分で到着です
最終的にソンテウはパークナム市場付近が終点となります
上の写真の星の場所が下車場所です
正面にはサムットプラカーン警察所、その右斜め前にバス停があります
ここから市内に戻るバス 511番・102番・507番・508番 に乗ればBTS駅前まで戻ることもできます(ここからパークナム駅までそんなに遠くないので歩いても良い)
時間があればパークナム市場を覗いてみよう
このパークナム市場は魚介類がメインの市場なのですが、他にも青果や肉類などがあり タイ人の食を支える大きな市場となっています。
飲食店や屋台を経営している方が新鮮でお値打ちな食材を求めてここに買い付けに来たりもする市場でもあります。
私たち観光客が買うようなものはほとんどありませんが、活気あふれるこの空間を感じながらタイ人のリアルな暮らしを垣間見るのも楽しいと思います。
ローカルな雰囲気を存分に味わうにはもってこいの場所に違いありません。
まとめ
かなり長くなりましたが、ムアンボラーンは行ってみたら意外と面白くて本当にドでかいテーマパークでした。
滞在時間の目安は2時間~3時間です。
バンコクからも割と近いですので、気軽に行けるのも良いところ。
入場料はやや高めですが、本物のように作りこまれた本格的なレプリカの数々を楽しむことができます。
知名度はあまり高くなく、お客さんはかなり少なめなので 自由気ままにのんびりと観光できる穴場のマイナースポットです。
タイの文化や歴史に関心のある方にはピッタリの場所かもしれません。
↓こちらも近いのでセットでどうぞ↓