ホーチミンを初めて観光するとなった時に、まず候補として大きく上がるのがクチトンネル。
ホーチミンを訪れる観光客のほとんどが訪れる場所と言っても過言ではないでしょう。
そんなクチトンネルですが、ツアーはもちろんのことバスを使って個人でも行くことが可能です。
ただ 個人で行く人は圧倒的に少ないようですが、ベトナム人やバックパッカーはこの方法で行く場合もあるようです。
というわけで、今回はバスで行くクチトンネルへの行き方を詳しく紹介していきたいと思います。
クチトンネルとはどんな場所か?
ホーチミンの北西約50kmにあるクチ県。
ここにはベトナム戦争時に築かれたおよそ200km以上とも言われる地下道が残されています。
アメリカ軍率いる南ベトナムを苦しませたと言われるこの巧妙な地下要塞は、その存在を知っていたアメリカ兵らも決して攻略することのできなかった程の複雑さを持っています。
解放戦線(北ベトナム)はこれらのトンネルに潜み長期に渡りゲリラ戦を続けながら、更に長く広く掘り続けていきました。
結果的に解放戦線が勝利しアメリカ側が撤退するという形で終結したベトナム戦争ですが、圧倒的な攻撃力を誇るアメリカ軍でさえも苦戦したというこのクチという地には そのようなベトナム人の知恵を駆使して作られた誇り高き集大成が遺されています。
クチトンネルへのバスでの行き方
おおまかな流れとしては
②クチバスターミナルに到着
③そこから更に79番バスに乗り換え
④クチトンネルに到着
といった感じです。
かかる時間は片道約2時間半。
バス料金は7,000 VND+6,000 VNDの合計130,000 VND(約61円)となります。
それでは詳しく説明して行きます。
9.23公園にあるバスターミナルへ
ホーチミン1区の中心部にある公園「9月23日公園」の端にはバスターミナルがあるのですが、まずはここから 13番 のバスに乗って終点クチバスターミナルへ向かいます。
↓場所はこちら↓
こちらの場所ですが、バックパッカーが多いブイビエン通りに近いため分かりやすいかと思います。
滞在先がこの辺りだと便利です。
さて、ターミナルに着いたらバス乗り場に自分で向かって13番と表示のあるバスを見つけましょう。
見つけたらバスに乗って適当に席に座って出発を待てばOKです。
この線のバスは約10分~20分間隔で出ていますので焦る必要はありません。
バスが出発したら集金係の方にお金を支払います。
クチまでの料金は7,000 VND(約33円)と激安なのが嬉しいですね。
(乗る路線によって内装は異なります)
バスが9.23公園バスターミナルを出発したら、あとは終点のクチバスターミナルまでは乗りっぱなしで大丈夫です。
時間は約1時間半と少々長めです。
バスが終点に着いたら他の乗客と共に下車しましょう。
クチバスターミナルから更に別のバスに乗り換える
↓場所はコチラ↓
クチバスターミナル(Bến xe Củ Chi)に到着したら、次は 79番 のバスに乗り換えです。
ここから40分程かけて終点の1個前のバス停「Ngã 3 Đền Bến Dược」まで向かいます。
ただ このバス停ですが目印的なものが特に無いので、バスに乗る時に運転手さんに「クチトンネル?」と言っておくと着いた時に教えてくれるので安心です。
念のため、こちらにバス停のマップも載せておきます。
グーグルのストリートビューで見てもらうと分かるのですが、敢えて目印を言うのであれば右手に青い看板があるのと左手に小さい商店のようなお店が1店出ているくらいです。
目立つようなバス停の標識も無く初めて行く人は絶対に分からないレベルなので、是非ドライバーに声かけしておくようにしましょう。
ゲートから歩いてメインエリアまで行く
バス停に着いて降りるとすぐにこのようなゲートが正面に出てきます。
ここから歩いてクチトンネルのあるエリアへ入場して行きます。
入ってすぐ正面に川の見えるレストランがありますが、左へ曲がり長く伸びる道を真っすぐ歩いて行って下さい。
少し歩いて行くと右手にお寺が現れます。
時間に余裕があれば見学して行っても良いかと思います。
さて、ゲートから入ってクチトンネルのあるエリアまではこのような長い道路をひたすら歩いて行ってください。
10分程歩き続けるとこのような「ENTRANCE TO THE TUNNEL(トンネル入場口)」と書かれた案内板があり、すぐに視界が開けた広場のような場所に出ます。
広場には戦車やヘリなど、軍事関連の乗り物が展示されており見ものです。
これらはトンネル見学の後にゆっくり見ればOK。こちらを右手にそのまま進んで行って下さい。
クチトンネルの入場チケットを購入
広場を抜けて少し進んだ先にはこのような小さなチケット売り場があります。
ここでクチトンネルの入場チケットを購入しましょう。
料金は90,000 VND(約423円)です。
支払うと入場チケットと胸に張る参加者用のシールをもらえるので、それを持って先ほどの広場のある方に戻りクチトンネルの入り口へと向かってください。
クチトンネル見学ツアーに参加
チケットを係員に見せると少し待つように言われましたので10分程待ちました。
どうやら他の参加者が来るのを待っているようです。
クチトンネルはツアー参加であろうが個人参加であろうが、基本的にガイドと一緒でないと見て回れないようになっています。
今回はドイツ人3人組と私1人のたったの計4人のグループです。
超少人数ですが、これが個人参加の良い所かもしれません。
さて、人も集まったので森の中を案内されながら進んでいきます。
こちらの緑色のユニフォームを着た方が今回のクチトンネルのベトナム人ガイドとなります。
まず初めに小さな建物に案内されると、そこでベトナム戦争についての資料映像を見ることとなります。
全て英語なので理解が難しいため、事前にインターネットなどでベトナム戦争のことやクチトンネルについてのことを勉強しておくことをオススメします。
数十分の映像が終わると案内され、更に森の奥へと進んでいきます。
森の中の小道を歩いていると、ポコン ポコンと小さい盛り土のような’何か’が目立ち始めます。
これはトンネルの通気口で、ここから外気を取り込んでいるのだそうです。
歩いていると突然ガイドさんが足元を指差しはじめました。
一見葉っぱに隠れて全く気がつきませんでしたが、よく見るとそこには何か四角い蓋のようなものが…。
ガイドさんがおもむろにその蓋をパカッと取るとこのような狭く小さい四角い穴が出現します。
「え?これ、これがトンネル??」と正直びっくりです。
だって、言ってもノートパソコンくらいのサイズの穴ですよ?
どうやっても入れないのでは?と正直思ってしまうくらいです。
でもガイドさんは何のためらいもなく「では、入ってください」と一言。
初めに背の高めのドイツ人男性がチャレンジすることになりました。
身体を斜めにしてゆっくり足から下ろしていくと…まさかのすっぽりと入ってしまいました。
これにはドイツ人観光客も私も驚きを隠せません。
実際に私も入ってみたのですが、以外とスルンと入れてしまうもんなんですね。
このとても小さい穴は、できるだけ敵に見つからないようにするための工夫なのかもしれませんね。
さあ、今度は先ほどの穴よりも大きめのこの階段付きの地下道から内部に潜入していきます。
大きめと言ってもかなり小さくて狭いです。
体格の良い方は絶対に通れないレベルの空間です。
地下道は常に屈んだ状態でないと進めない高さで、横幅もとても狭いです。
10mも進めばしんどくなってくる程ですが、これが何百キロとあると思うと想像を絶しますね。
また、これらが全て手彫りで作られたのだと言うのですから信じられません。
観光客が通れるのは短い距離ですがとても印象的な体験となりました。
途中 針山トラップを見せてもらったのですが、ベトナム戦争中はこのようなケガ人を出すための細工が多く施されていたそうです。
当時はケガ人を出すことができればそれを救護する人が必要になるため より多くの人員を戦闘から排除できるという考えがあったといいます。
このようにクチトンネルでは、大敵に立ち向かうために考え付いたベトナム人ならではの知恵をあらゆる場面で見つけることができます。
ガイドの最後には兵士がよく口にしていたというキャッサバが提供されます。
一緒に付いてくる塩砂糖に付けて食べます。
ガイドは約1時間ほどで終了。
その後は展示されている資料やレプリカなどがありますのでゆっくり見ていくと良いでしょう。
数多くの爆弾の残骸が残されています。
今では平和なこの地も、その昔 泥沼の激戦が繰り広げられていたのだと思うと不思議で仕方がありません。
かつて難攻不落のクチと呼ばれたこの地には、今でもベトナム戦争を身近に感じさせるものが多く残されています。
ホーチミンを訪れる場合は是非とも行っておきたい場所だと言えるでしょう。
クチトンネルからホーチミン市内への帰り方
帰り方は行きと全く同じ流れで帰ればOK。
行きの時に降りたバス停の反対側(小さな商店前)でクチバスターミナルへ向かう 79番 バスを待ちます。
このバスは約20分おきに来ますのでしばらく待っていれば大丈夫です。
バスがクチバスターミナルに着いたら 13番 バスへ乗り換えホーチミン市内へと帰っていきます。
路線バスを利用する際は以前紹介した【BUSMAP】というホーチミンを走るバス情報を調べることができるアプリがあると便利です。
バスのルートや出発時間、バス停などについてより詳しく知ることができますので是非ダウンロードしてみて下さい。
さいごに
クチトンネルはホーチミン観光の定番とも言えるほど有名な観光地です。
安心のツアーで簡単に行くこともできますが、旅に慣れた方はローカルバスを使って個人で行ってみるのも面白いかと思います。
ツアーで行くのとはまた違った雰囲気ですし、何よりも新しい発見や出会いなどがあるかもしれません。
少し時間と手間はかかりますが、それほど難しくはないのでチャレンジしてみて下さい!
それでも「移動時間を無駄にしたくない」「個人で行くのはちょっと不安…」「なんかキツそう」といった心配事がある方は日本語ガイド帯同で安心のJTBオプショナルツアーから事前に申し込んでおくと良いでしょう