チャオプラヤー川を越えた向こう側にあるパーシーチャルーン区には、とあるアーティスティックな古市場があることで知られています。
それが「バーン・シラピン」。別称アーティストハウスとも呼ばれている場所です。
今回はその、芸術や文化をテーマとした一風変わったマーケットを皆さんにご紹介していこうと思います。
もくじ
Baan Silapin(バーン・シラピン)[別称:Artist’s House(アーティストハウス)]
(アーティストハウスのあるクローンバンルアン水上マーケット)
バンコク市街地から約10キロ、チャオプラヤー川の向こう側のエリアは入り組んだ細い運河が沢山あるのが特徴。
故にこの辺りでは昔から水上マーケットが盛んで、今もなおその面影を残しつつ細々と存続しています。
なぜ細々に?かというと、交通が発達した現代でわざわざこういった水路を利用した市場に訪れる人が減ったからという理由があります。
実際のところ、現代でも存続できているのは観光地としての需要がある有名な所だけというのが現実です(ちょっと寂しいですね)。
今回ご紹介するクローンバンルアン水上マーケットはそんな時代の波に押し流されそうになりながらも、他とは違った魅力で人気を集めているスポット。
その魅力はアーティストハウス(バーンシラピン)という芸術家のための古民家スタジオにあります。
カフェとして、そしてギャラリーとして、工作や作業の場として、または人形劇の劇場としてなど様々な用途で利用されており、市場一帯にもアートが施され唯一無二の空間を創り出しています。
週末になるとタイ人の家族連れで賑わい、最近では外国人観光客にも注目され始めています。
ゆったりとした時が流れるクローンバンルアン水上マーケット
こちらの水上マーケットですがそれほど規模は大きくはなく、観光客もとても少ないので静かでのんびりとした時間を過ごすことができます。
市場自体は他のオールドマーケットと同じように、川沿いに民家が立ち並び 通路にいくつか小さな商店が出ている至って普通のスタイルです。
川沿いにあるお店にはインテリア・民芸品・絵などが販売されていますが、お土産的なものはどちらかというと少なめ…。
ただ のちに紹介するアーティストハウスの方には良さそうなグッズが沢山売られています。
しかしながら、独創的なアート作品がいくつも展示されておりそれらがとても目を引きます。
思わず写真を撮りたくなってしまうような、そんな空間です。
ノスタルジックな雰囲気にはこういったレトロチックな商品が似合いますね。
市場内を散策していると、まるでこの場所だけ時代が止まっているような不思議な気分になります。
人形劇を見る前に昼食を
川沿いの市場にはほんの少しだけですが飲食店が出ています。
人形劇が14時からなので、その前にこちらで軽くお昼ご飯でも食べていくと良いでしょう。
イェンタフォー
40THB(約144円)
水上マーケットに来たらクイッティアオ(タイヌードル)はマスト!ということで、今回はピンクのヌードルとしても知られるイェンタフォーを注文。見た目はインパクト強めですが、思ったよりも落ち着いた味で美味しく完食。そんなにお腹が空いておらず、軽く食べれるものを探していたので丁度良かったです。
ココナッツアイス
25THB(約90円)
お腹が膨れたら今度は甘いものを(笑)!ということでデザートにはこちらのココナッツアイスを頼みました。これだけ入っていてたったの25バーツと激安なのに驚きです。ココナッツの甘くて濃厚な味わいに大満足しながら、最高のスイーツ休憩を楽しみます。
場所を移してお茶休憩
Green Ice Tea:30THB(約108円)
お腹も満たされたところでしばしカフェ休憩♪
静かな川沿いのカフェで美味しいグリーンティーを飲みながらこの市場のノスタルジックな雰囲気に浸ります。
ふと川の方に目をやると、多くのタイ人が魚に餌を与えていました。
これはタイ各地で見られる光景なのですが、川の繁栄を願いこうして餌付けを行うのだといいます。
また、徳を積む行為(タンブン)としてもメジャーなアクティビティの1つです。
そしてこちらの市場でよく目立つのがこのカラフルな色をしたエサ。
小サイズであれば1袋たったの10THB(約35円)で買うことができます。
こんな色のエサ見たことありますか?面白いですよね(笑)。
写真に映えること間違いなしのエサやり体験、とても楽しいので皆さんもやってみてはいかが?
いよいよ今回のメイン「アーティストハウス(バーンシラピン)」へ
それでは次にクローンバンルアン水上マーケットのハイライトと言っても過言ではない「アーティストハウス(バーンシラピン)」へと入場して行きます。
こちらはありがたいことに誰でも自由に無料で出入りすることができます。
見どころも沢山ありますので、しっかりチェックしておきましょう。
タイ舞踊の人形劇を見逃すな!
こちらに訪れる人の一番の目的は、このアーティストハウス1階で行われる「パペットショー」。
水曜日以外は毎日開催されており、無料で見学できるとあって地元民から観光客まで多くの人が訪れる大人気のイベントです。
(ショーはこの仏塔の前で行われる)
(イメージ)
しかし、今回は残念なことに運悪くクローズしてしまっていました。
週末は稀に各地の催しなどに出ている場合もあるのだそう。
こればかりは運次第ですね…。平日の方が見られるチャンスが高いかもしれません。
もし運よく見ることができたら、観覧後彼らの今後の活動資金としてチップの支払いをお忘れなく!
2階ギャラリーも要チェック
階段を上がると2階部分には無名アーティストが制作した様々な作品が展示されているので、そちらも忘れずに見学しておきたいところです。
タイは近年、アートへの関心が高まりつつあるため こういった芸術作品に目を向けられる機会が以前よりも増えてきています。
タイの人々が表現する世界観を肌で感じることのできる場所です。
独創的なオリジナルグッズの数々
バーンシラピン内ではアーティストの卵が製作した様々なグッズが販売されています。
どれも普通の市場では手に入れることのできないクリエイティブな商品ばかり。
お値段も格安でゲットできますので、これらにも注目してみて下さい。
工作や製作の場としても機能
(オリジナルブレスレットを作ることができる)
とても興味深いのは、こちらのアーティストハウスでは実際に何かを創り出すという体験をすることができるということ。
これらは特に子供たちに人気で、創造性を培う場としても機能しています。
子供たちが紙粘土に色を塗る作業をしている様子です。
お値段も30バーツ~と格安。気軽に製作体験を楽しむことができるのが良いですね。
この場所、以前タイの教育番組でも取り上げられたこともあるそうですよ。
(良い味を出している作業机)
カフェが併設しているので親御さんも一緒に寛ぎながら過ごせるためファミリー層に大変人気とのことです。
独特な装飾にも注目してみよう
見どころは建物の中だけではありません。
外側にもちょっと変わったオブジェや綺麗な装飾が施されているので見てみましょう。
こちらはバーンシラピンの主と言われているおじさん(笑)。
誰をモチーフにしているのかは謎ですが、訪れる人が必ず写真を撮っていく人気者です。
他にも写真に収めたくなるような綺麗なガラスタイルがあしらわれていたりと、あらゆる箇所に目を向けてみるのも面白いです。
色んな場所に色んなアートが散りばめられたバーンシラピン。
あなたの感性を刺激すること間違いなしの場所です。
クローン・バン・ルアン水上マーケットへの行き方
MRTが新しく延伸したことにより電車+徒歩で簡単にアクセスすることができます
ここでは駅から徒歩10分で行く方法を紹介していきます
まずMRT BangPhai(バンパイ)駅へ向かいます
駅に着いたら④番出口へ向かってください
④番出口から階段を降りたら矢印のように転回します
転回したらこのような歩道を直進していきます
そのまま1分ほど進んでいくと右手に歩道橋が現れるのですが、このすぐ奥に左へと続く細い小道(ソイ)があるのでここを左折します
小道はこのような感じ
ずっと真っすぐではないですが基本的に1本道となっていますので、ひたすら道なりに進んでいけばOKです
通り沿いにひたすら直進、住宅街の中を進みます
途中、水上マーケットの看板が電信柱に貼られているのでそちらを目印に進んでいくと安心です
さて、駅から8分ぐらい歩くと寺院に突き当たります
こちらは寺院のエントランス前を右折です
(こちらがマーケットの入り口)
あとは同じく道なりに2分程進んでいけば到着です
分岐はありませんので迷うことは無いでしょう
詳細情報
-Khlong Bang Luan Floating Market-
■営業時間 土日のみ 8:00~15:00
-Baan Silapin[Artist’s House]-
■営業時間 月火 10:00~18:00 / 水木金 9:00~18:00 / 土日 9:00~19:00
■人形劇開催 水曜日を除き毎日催行 ※人形師が出張で未開催の場合もあるので注意
(アーティストハウスは毎日オープン)
さいごに
川辺に広がるアートな異空間「バーンシラピン」は、タイの文化を引き継ぎ そして創造性を育む新たな場所として姿を変えた次世代の水上マーケットなのかもしれません。
古い街並みや文化が消えゆく中で、アイデア次第でこのように息を吹き返す市場があるのは本当に素晴らしいことですね。
次回はぜひパペットショーを見逃すことのないようにしたいものです。