タイの政府機関が多く立ち並ぶドゥシット地区、この場所は繁華街とは全く異なり静かで落ち着いた空気が流れるエリア。
そんなエリアにひときわ存在感を放つ寺院があります。
それが大理石寺院として知られている「ワットベンチャマボピット」。
ラマ5世の命で建てられたこの寺院は、他の寺院とはひと味違った建築様式を持っています。
今回は個性的でいて美しい、こちらの寺院を紹介していこうと思います。
もくじ
Wat Benchamabophit(ワット・ベンチャマボピット)
ワットベンチャマボピットは大理石寺院という名で良く知られる、バンコクにある寺院。
建設は1899年、ラーマ5世(チュラロンコーン王)の命により本堂が建立され 弟君であったナリット殿下のアイデアで大理石が用いられました。
使用された大理石はイタリア産で 壁や床、更には柱や敷石と屋根以外全てに使われています。
そして珍しいのは大理石だけでなく、その建築様式にもあります。
ローマ様式の円柱やステンドグラスが施された窓、またタイの寺院で必ず見られる仏塔や仏堂が無い点なども特徴的です。
ワットベンチャマボピットは細かい部分に注目してみると、他では見られない違った美しさを発見することのできるちょっと変わった寺院なのです。
入場してみよう
こちらの寺院は敷地へ入るぶんには無料ですが、本堂内部や回廊に入るには入場料を支払わなければなりません。
せっかくなので内部を見学しないわけにはいきません。チケットを購入。
2019年現在、入場料は50THB(約177円)。以前は20バーツだったので値上がりしましたね。
寺院敷地内の右側にチケットオフィスがあるのでそちらで購入します。
美し過ぎるイタリア産の大理石
まずは外観から。
ご覧ください。これ全部大理石で出来ているんですよ?この高級感溢れる本堂には感動です。
そして建物正面にある2匹のシン(ライオン像)と円柱が豪華さを演出しています。
派手すぎずどこか落ち着きを感じさせる素晴らしいデザインです。
(シンも大理石で造られている)
重厚感のある大理石を使用すると、寺院の印象がだいぶ変わりますね。
ヨーロッパ建築によくある、重々しくどっしりした出で立ちを感じます。
さて、中の方へ入っていきましょう。
52体の各国から集められた仏像が並ぶ回廊
まずは回廊から進みましょう。
こちらにはアジア各国から集められた52体もの仏像が並べられており、どれもその表情や姿が異なり興味深い違いを確認することができます。
あばら骨や頬骨が浮き出たちょっと怖い修行僧の像を見ることもできます。
また、注目すべきは日本の仏像も安置されているということ。
実際に行かれる際はご自身で探してみて下さい。
屋根瓦も特徴的なので要チェック。
オレンジ色の綺麗な配色の瓦には、このように細かく仏像のレリーフが刻まれています。
細部に至るまでこだわり抜かれているのが分かります。
屋根の下には数多くの鈴が吊るされており、風が吹くたびに心地よい音色を奏でます。
(本堂の裏に黒い仏像が安置されている)
本堂内部のチナラート仏とステンドグラス
こちらに安置されている仏像は、ピサヌロークにあるワット・プラシー・ラタナマハタートの本尊 チナラート仏をラマ5世の命により複製されたものです。
スコータイ王朝後半から見ることのできる、長さの揃った指が特徴。
そして仏像の背後に見られる炎の形をした後背にも注目です。タイの仏像でこれが見られるのは珍しいとのこと。
青く映えるバックグラウンドが仏像のシルエットを際立たせており、とても綺麗です。
そしてそして、忘れてはいけないのが西洋の様式が取り入れられたこちらのステンドグラス。
ブッダの優しい笑みとその周りをまとう模様が何とも素晴らしいので必見。
仏教寺院でいて、西洋風。一見マッチしないようでありますが とても自然に融合されたこのデザインは見事としか言えません。
本当に他とは違ったこだわりが多く見られる寺院だと思います。
全体的に見てもここがチュラロンコーン王にとって特別な寺院であったことが伺える本堂でした。
因みに仏像(本尊)の台座部分には現在ラーマ5世の遺骨が納められております。
ここで眠ることが本望であったことでしょうね。
他にも見どころ多数
ロングドラム
こちらは寺院で度々行われる催事などで使われる楽器でしょうか。
とても長いロングドラムと呼ばれるものが展示されています。
3mはあろうかというこちらの立派な楽器は1本の木で出来ているそうです。
イタリア製の橋
寺院と僧侶の生活する区域を繋ぐこちらの赤い橋。
橋には英字で「ITALIA」と刻まれています。
大理石だけでなくこちらのイタリア製の橋にも注目してみて下さい。
ベルタワー
橋を越えた宿坊などがあるエリアの広場の中心には、同じく大理石で造られた大きなベルタワーがあります。
式典の際などに使用されるものでしょうが立派です。
大理石寺院への行き方
さて、こちらのワットベンチャマボピットですが アクセスが悪い場所にあるため 行く方法としては
①タクシーで行く
②路線バスで行く
の2択となります
今回は安くアクセスできる路線バスを利用した行き方を紹介していきます
まずBTS Siam(サイアム)駅に向かい、CENTER POINT SIAM(センターポイントサイアム)の高架下のバス停に向かいます
今回はこちらのバス停から 16番バス を使って大理石寺院の近くまで行きます
バスはエアコン無しでたったの8 THB(約28円)、所要時間はおよそ15分です
バスの集金係には「ワットベンチャマボピット」と言えばOKです
バスを降りる場所は「タイ政府庁舎前」
川を越えて、左手に大きな国旗が見えたらと覚えておいて下さい
バスを降りる際は出口付近にスタンバイし、ブザーを鳴らします(←降り逃さないように注意)
バスを降りたら横断歩道を渡って、来た道とは逆方面 川の方まで戻ります
川の手前で左折し、川沿いの道を5分程歩いて進みます
左手に大理石寺院(ワットベンチャマボピット)が現れます
到着です
正直16番バス以外でもアクセスできますが、サイアム駅から行くこの方法がシンプルで分かりやすいのでオススメです
帰り方
帰りは行きの時に降りたバス停の反対車線から、行きと同じ16番バスでサイアムまで帰ることができます
バスが来たら手を水平に上げ止めてから乗り込みます
大理石寺院の詳細
■開院時間 8:00~17:30
■料金 50バーツ(本堂入場料)
さいごに
大理石で造られた美しく、壮大な寺院「ワットベンチャマボピット」。
西洋の文化とタイの文化が融合した唯一無二の寺院だと言えるでしょう。
こちらの寺院、ツアーなどで組み込まれることが少ないため いつでも比較的空いています。
ゆっくり静かに寺院を見学したいという方は、こちらに訪れてみてはいかがでしょう。