タイの各地にはオールドマーケットと呼ばれる古くから存続し続けている市場があります。
中には100年以上も前から現在に至るまで生き残っており、そのような市場をタイ人は「100年市場」と呼び観光地の1つとしても人気を博しています。
そんな古市場の中で特に外国人観光客に人気なのがチェチュンサオ県にあるバーンマイ百年市場ですが、今回ご紹介するのはかなりマイナーな「バンプリー百年市場」という観光スポット。
静かで心休まるノスタルジックなこちらのマーケットの全貌をご覧ください。
Bang Phli Old Market(バンプリー百年市場)
バンコクのお隣サムットプラカーン県でひっそりと開かれている「バンプリー百年市場」は、観光客が知らない隠れた古市場。
タイ人の間ではある程度知られている場所ではありますが、それほどメジャーでもないため土日でも人は少なく静かな雰囲気を楽しむことができるのが魅力です。
通常のオールドマーケットと内容は大きくは変わりませんが、こちらではちょっと変わった珍しい光景が見られるというのがポイント。
それは、船を足場にした簡易橋が設置されており それを利用して運河の反対岸に渡ることができるというものです。
他の市場ではこのような光景が見られる場所はないので、行く際はぜひ目にしておくべき。
アクセスは若干不便ではありますが、観光地化されていない真のタイ文化が楽しめる数少ないスポットの1つと言えるでしょう。
(年配の方々による歌や踊りの披露も行われている)
市場を歩いてみよう
(木でできた床が時代を感じさせる)
今回訪れたのが土曜日の昼過ぎ。
もうこの時間帯には人もまばらで、とても穏やかな空気が流れていました。
運河沿いに並んで建てられた木造家屋内の通路に市場が開かれており、色々な商店が軒を連ねます。
市場で売られているものは駄菓子・おもちゃ・仏具・雑貨など、地元民の生活に密着した商品が中心です。
基本的にこちらの市場は外国人がほとんど来ないため、観光客向けのものは一切売られていないのであしからず…。
しかしながらローカル度は非常に高めで、マイナースポット好きには堪らない場所であることには間違いないでしょう。
運河沿いには飲食店や食べ物屋台等も出ているため食を楽しむことも可能です。
柵のない開放的なテーブル席で、生歌を聞きながらの食事タイムは正にタイな時間。
喧騒に包まれるタイの大都市バンコクとは対照的に、和やかで平和的なこの空気感にまるで心が洗われるような気持ちです。
さて、市場を奥へ奥へと進んでいくとワットバンプリーヤイナイという寺院があり その付近でも屋台や出店が出ているのでチェックしておきましょう。
ここでは食べ歩きできるスナックやスイーツが楽しめるので買ってみるのもOK。
興味のある方は寺院を見学してみてはいかがでしょう?
あと、この寺院付近にある船着き場からボートツアーに参加することもできます。
値段も数十バーツと格安ですので時間に余裕のある方はそちらもお見逃しなく。
(犬)
魚のエサやりで徳を積もう
バンプリー市場には上の写真にあるような、川魚のエサが至る所で売られています。
パン・カラフルな麩菓子・通常のエサなどバリエーションも豊富。
値段もたったの10バーツ(約35円)~と安いので、体験しておくのをおススメします。
こんないい感じのエサやりスペースも設置されていたり…。
ゆっくり休憩しながら、このようなタイならではの変わったアクティビティを楽しんでみるのも良い経験となるでしょう。
タイでは川に生息する魚に食べ物を与えることで川の繁栄に貢献し、徳を積むことができるという意味合いがあります。
ですから、このエサやりもただの遊びではなくタンブン(徳を積む行為)の一種として考えられています。
他にも、生き物を自然界に放つ「放生会(ほうじょうえ)」もよく行われています。
タイに来た際はこのような特別な体験をしてみてはいかがですか?
非常に珍しい’’渡し船’’は必見!
さぁ、バンプリーの百年市場に来たら絶対に見ておきたいのがこちらの「渡し船」です。
一般的にタイで渡し船というと岸から岸に人を乗せて送る船を指すのですが、こちらの市場では船自体が橋のような役割を果たしているのです。
ご覧のように多くの学生がグラグラと揺れる不安定な船を渡って対岸へと向かっています。
船は縦長のものを2隻繋げて橋渡しをしており、とても珍しく面白い光景を作り出しています。
ちなみに渡るには1バーツの支払いが必要。
向こう岸には大きなショッピングモールがあり、他の道で行くよりもショートカットして行けるので多くの人が利用しているようです。
私も実際に利用してみることに。
渡るときに凄いグラついてちょっとだけ怖いです(笑)。
こんな簡易的な橋があるなんて本当に不思議で仕方ありません。
なぜこのようにしているのでしょうか?
(船が通るので道を開けている様子)
それにはちゃんと理由がありました。
ここ、実は船の通り道となっており定期的に通る船のためにいつでも異動できるように2隻のボートで繋いでいるとのことです。
船が通り過ぎたらあっという間に元通り。
こんなレアな光景が見られる場所はそうそうありませんので、ぜひ忘れずに見ておいてくださいね。
バンプリー百年市場への行き方
こちらの市場、やや辺鄙な場所にあるためアクセスには少々時間がかかります
バンコク中心から向かう場合は1時間半~2時間は見ておいてください
今回はBTS(高架鉄道)とソンテウ(乗り合いタクシー)での行き方で紹介していきます
まずはBTSスクンビット線Samrong(サムローン)駅へ向かいます
①②番出口方面の改札を抜けたらスカイウォークへと進みます
スカイウォークはインペリアルワールドという大きなショッピングモールへと続きます
このモールのある方面へとひたすら歩いていけばOKです
さて、モールへと続く歩道橋に到達したら モールとは反対側の歩道に降りていきます
歩道橋を降りたらそのまま直進、すぐ1つめの小道を左折です
(Soi Sukhumvit 113へ入る)
スクンビット113の小道に入ったら赤丸印の辺りまで歩きます
小道の角にあるセブンイレブン前からソンテウに乗りますのでしばらく待ちましょう
乗るべきソンテウは 白看板の1217番 です
番号は車体の横に小さく書かれていますが、不安であれば「タラートバンプリー?」と聞いておくと安心です
料金は10THB(約35円)、乗車時間はちょっと長めの50分です
降りる場所は進行方向右手に金色の大きな仏塔が見えたらと覚えておいてください
その辺りからは徒歩で5分ほどでオールドマーケットに到着です
ただし ソンテウは安いですが到着までに結構時間がかかります
移動時間を無駄にしたくない方はサムローン駅前からタクシーを利用するのがベターかと思います
この場合、料金はおおよそ200バーツ前後でしょう
詳細情報
■営業時間 週末限定 8:00~17:00
■備考 15時頃になると閉店し始めるので正午までには到着しておくとよい
さいごに
時代が過ぎても変わらない、昔ながらのタイの景色が色濃く残されたバンプリー百年市場。
バンコクからそれほど遠くないにも関わらず、昔懐かしい雰囲気を存分に楽しむことができます。
こういった場所って本当に貴重だなと思います。
これからも変わることなく、何世代にも渡って引き継がれていくことを願います。
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