皆さんはタイのアートというとどのようなものを思い浮かべるでしょうか?
恐らく多くの方は、地方の伝統文化や工芸品などに関連した古くから伝わる芸術的な要素を想像するかもしれません。
しかしながら、近年ではコンテンポラリーアートという現代美術の分野も盛んで 多くのアーティストが表舞台で活躍する機会も増えてきています。
ということで今回はタイの’今’を表現する芸術家の卵たちが製作する作品を見られる、とある美術館をご紹介していこうと思います。
The Queen’s Gallery(クイーンズギャラリー)
2013年8月にシリキット王妃の案で設立された「クイーンズギャラリー」は、アーティストの卵や無名の画家に焦点を当てた次世代アートを展示する美術館。
王室からの支援金で作られたこのギャラリーは、銀行の建物の一角を使用して作られた小さなものですが 実力のある新米芸術家の作品が見られる隠れたスポットでもあります。
展示されている作品は絵画だけに収まらず、あらゆる素材を使用して創られたものや 生活の中にあふれるモノを使ってアートにしたものなど型にはまらないスタイルが見どころです。
また、アーティスト達が手掛けたグッズ等も販売されており 購入することも可能。
小規模ながらも現在進行形で進化するタイのアートを垣間見ることができる興味深いスポットと言えるでしょう。
入場料は50バーツ
タイ人はIDカードを持っていれば無料ですが、外国人の私たちは1名50THB(約181円)で入場することができます。
リュックサックや大きなカバンを持っている方は、受付で預けることになっていますので係員の指示に従いましょう。
展示スペースは2~4階
5フロアあるギャラリーですが、展示スペースは2~4階までのわずか3フロアです。
ボリュームは少なめですが、ほとんど人がいないのでゆっくり静かに見られるのが良いところかなと思います。
因みに5階はアーティストの作業場となっているので一般は入れません。
私がコンテンポラリーアートが好きなのは、表現の自由度が高く よりクリエイティブで普通とは異なる作品が見られるというところです。
そして、作者のオリジナリティーが前面に出てくるインパクトの強さも好きな理由の1つでもあります。
例えばこちらの作品。
一見商店を描いた絵のようにも見えますが…
実は毛糸や糸を使用したアート作品だったりするのです。
発想、技術、創造性においてとても面白みに溢れていると思いませんか?
他にもパズルのようにいくつもの絵が1つの額縁に収まっているものなど。
それぞれの作品の横にはタイ語と英語で展示品に関する詳細が記されています。
こちらは私が特に気に入った作品。
立体的な形、使用されている素材、色合いなど 非常に独自性の高い印象的な展示品でした。
こちらも素晴らしいですね。
モスクの中を表現したかのようなこの絵も、実際は糸を縫って繋いで描かれたもの。
立体感を上手く出しておりとても美しく見えます。
ポップでどこか可愛らしい展示物も。
この方はキッズ市場に関連したデザイナー職に向いてそうですね。
綿を使って守護神モックを描いたちょっと風変わりな作品。
タイの文化と現代美術のミックスはより興味深いですね。
こちらはの木の板をカールさせ、大胆にもそのまま1つの作品にしてしまったもの。
これぞコンテンポラリーアートらしい展示のようにも思えます。
縛りのない自由で創造的な作品こそが現代美術の真骨頂。
目で見て楽しみ心で感じる。
それこそがコンテンポラリーアートの最大の魅力ですね。
The Queen’s Gallery 詳細情報
行き方:センセープボートを利用して行くと簡単。プラトゥーナムから終点のパンファーブリッジまで約20分、そこから歩いて2分でギャラリーにアクセス可能です。料金も11バーツと格安で行くことができます。詳しい行き方はワットサケートの記事でご紹介しております。
■営業時間 10:00~19:00
■閉館日 水曜日
さいごに
今回ご紹介したクイーンズギャラリーはとてもマイナーなスポットなので、普通の観光客はまず訪れませんが タイの現代美術に興味がある方であればそこそこ楽しめるのではないかと思います。
近年 芸術のレベルがどんどん向上しているタイでは、これらのアートは今後より一層注目を集めてゆくのではないかと予想しております。
皆さんも進化し続けるタイのアート事情をご自身で感じてみてはいかがでしょうか?
ワットサケートという有名な寺院も歩いて5分圏内の場所にあるのでセットで訪れると良いでしょう。